子どもの頃の体験は、その後の人生に影響する。

幼児教育をどうするか で記載した通り、

米国で研究されたペリー・プレスクール・プロジェクトにより、
「幼児期への投資が最も費用対効果が高い」と言う結果がでました。

しかし、同時に質の高い就学前教育が子どもたちのIQにもたらした効果は、
必ずしも持続しないことも明らかになっています。

ペリー・プレスクール・プロジェクトでは、IQの効果は早期には失われ、
長期にわたって持続するものではなかったことが示されています。

つまり、このプロジェクトからわかることは、幼児期には読み書き計算などのテスト成績を上げるための能力を鍛えるよりも、肉体的・精神的健康や根気強さ、注意深さ、意欲、自信などの非認知能力が重要と言う事です。

よって、

幼児教育の成果は「非認知能力」を伸ばすことに成功したかどうかにあると言えます。

さて、アメリカではなく、日本でも同様のことを調査した研究がないか調べてみたところ、参考になりそうな報告書を見つけました。

「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」報告書〔概要〕 平成22年10月14日
独立行政法人 国立青少年教育振興機構

詳細は実際に報告書を見てもらうとして、簡単に紹介すると、

要旨では、

幼児期から義務教育修了までの各年齢期における多様な体験(以下,「子どもの頃の体験」という)
とそれを通じて得られる資質・能力(以下,「体験の力」という)の関係性を把握し,
学校や地域,家庭において,どの年齢期にどういった体験が重要になるのかを明らかにするため,青少年の発達段階に応じた適切かつ効果的な体験活動の推進に関する調査研究を実施した。・・・

とあり、

まさに非認知能力を伸ばすには、どの年齢期にどういった体験が重要になるか調べたものです。

この報告書の調査方法は

<子どもの頃の体験>
自然体験,動植物とのかかわり,友だちとの遊び,地域活動,家族行事,家事手伝い

<体験の力>
自尊感情,共生感,意欲・関心,規範意識,人間関係能力,職業意識,文化的作法・教養

について調査項目を作成し,成人(20 代~60 代)と、青少年(小学 5 年生・6 年生,中学 2 年生,高校 2 年生)に回答してもらい、「子どもの頃の体験」と「体験の力」がどのように関係したかをみたものです。

この報告書は24ページにわたるので、「本研究のまとめ(P13-16)」をまとめると、

 

【調査結果】

結果1 子どもの頃に体験(「自然体験」,「動植物とのかかわり」,「友達との遊び」,「地域活動」,「家族行事」「家事手伝い」)が多いほど大人になってから「体験の力」(「自尊感情」,「共生感」,「意欲・関心」,「規範意識」,「人間関係能力」,「職業意識」,「文化的作法・教養」)が高い。

 

結果2 「体験」はいつでも効果的とは限らない。子どもの成長に合わせた「体験活動」がある
・小学校低学年までは「友達との遊び」と「動植物とのかかわり」が体験の効果が高い
・小学校高学年から中学生までは「地域活動」,「家族行事」,「家事手伝い」等が体験の効果に関係している。

 

結果3 子どもの頃の体験は,大人になったとき社会的な地位に影響を与える
・子どもの頃の体験が多いほど最終学歴が高い
・青少年施設や社会教育施設を利用した者ほど,最終学歴が高い。
・お稽古・習い事をした者ほど,最終学歴が高い
・子どもの頃の体験が多いほど年収が多い。
・体験が多いほどそうでない者に比べて,結婚している割合が多く,子どもを二人以上持っている。
・体験が多い子どもほど,本を読んでおり,コンピューターゲームやテレビゲーム遊びが少ない。
・幼少期から中学生期までの体験の多寡は,高校生の「体験の力」に関係している。

最近では、「経済格差が学力格差を生む。」とありますが、
今回の報告書では、
「経済格差が体験格差を生む、結果として学力格差をもたらすと言うつながりができあがっている。」
となっており、
報告書の副題?になっている「子どもの頃の体験は,その後の人生に影響する」がそのままの結果になっていました。

この内容については、今後も調査していきたいと思います。
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